前世を終えた後、なぜか小説『ライナスの花』の中に入り込んでしまった。 しかも男主人公ライナス皇子暗殺を繰り返し、彼の心臓を他国に売り渡して莫大な富を得た希代の悪女エディット伯爵に憑依していた!心臓を盗んだ犯人である事がバレたら、死刑になってしまう…。 なんとか心臓を取り戻そうと孤軍奮闘中の私の前に、心臓の持ち主ライナス皇子が何者かに襲われ道端に倒れた状態で何度も現われる。 彼を襲っているのは、外叔父のウィンスティン子爵か?それとも…? そんな時ふと思いつく。彼を襲ってくる者達から保護してあげれば、私のことを犯人だとは思わないはず… 「私の邸宅でお過ごしになりませんか?私が殿下を守って差し上げます!」 そうしてだんだん距離を縮めていく悪女と男主人公。ふたりの心に、今何かが芽生え始めていた…
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