傲慢で自分勝手。悪名高い伯爵令嬢エレナ・ボールダーは、婚約者のオスカー・ウェスト子爵から破談を言い渡された直後、不慮の事故で記憶をなくしてしまった。 「エレナ、いいところがないですねえ。お察しします」 「……本人である君に同情されるのは複雑なのだが」 以前とは別人のようになったエレナにオスカーは惹かれていくが、婚約破棄はすでに決定事項。 すっかり別れを受け入れている彼女と、今さら手放しがたくなってしまった彼が、婚約者でいられる最後の10日間の話。
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