母の死を悼む伯爵令嬢リリゲンは、ふと前世の記憶を思い出す。大好きな小説の世界に転生していたことに気づく。しかし、彼女は悪役令嬢ではなく、悪役令嬢の異母妹であるモブキャラだった! 小説のストーリーが頭を駆け巡る中、家族から虐待を受け、かつては名声を博した伯爵家が没落の危機に瀕し、病弱な父から重責を負わされるなど、自身の悲惨な運命が浮かんでくる。リリゲンの反応は? 絶対に違う。暗い未来に立ち向かうよりは、家族を捨て、テオバルドの助けを借りて辺境領を魔物の大発生から救うことを決意し、叔父であるアッシュガイル辺境伯のもとへ身を寄せる。運命を自らの手で切り開く彼女に、どんな冒険が待ち受けているのか?