片田舎の村で細々と剣術道場を営む男、ベリル・ガーデナント。
いつか夢見た剣士としての栄光はどこへやら。
「しがないおっさん」を自称しながら過ごす今日この頃。
“このまま静かに年を重ねていくのだろうか”
そうぼんやり考えていたある日のこと、若くして王国騎士団長に昇り詰めたかつての教え子、アリューシアが訪れる。
「先生を騎士団付きの特別指南役として推薦しました」
「……ナンダッテ?」
困惑したまま王都へ出立したベリルはさらに、最高位冒険者やエース魔術師など、大成した弟子と次々再会し、彼女たちから教えを請われてしまって!?
「絶対俺もう必要ないでしょ……」
と、卑下するのはベリル本人ばかり。
長年培われた剣術はもはや並ぶ者なく、彼の活躍は“片田舎の剣聖”と都で評判になっていき――
「その称号、かっこ悪くない!?」
最強の弟子たちの“師匠”が遂に報われる、おっさん成り上がりファンタジー!